そうだ、課題、やろう。

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スクリーンに映る全てが美しい。映画『君の名は。』公開日に観に行ってきた。

3度くらい泣いた。しかも両目から、タオルを準備しない予期せぬ涙を映画館で流したのはずいぶん久しぶりだった。ひょんなことからチケットが手に入り、急遽、映画「君の名は。」を観に行ってきた。公開日当日、かつ監督の舞台挨拶回というプレミア感に浮き足立ちながらも、知識豊富なコアなファンの方々の中に溶け込もうと平然な顔をつくり、普段より大きなスクリーン会場の中央部の席に座る。新海誠監督の作品を観るのは初めてではないけれど、公開初日に劇場に居合わせるのは初めてだ。平日の昼間ということもあり、まだ友人の過半数も出会っていないであろう感動にこれから自分が触れるのかと思うと、ちゃんとその感動を自分の中で咀嚼できるか等と上映前から緊張していた。

 
上映時間は約2時間。その2時間でもらった全ての感動を言葉に落とすことはまだできていない。でも、忘れる前に、この大きな心の動揺を覚えておきたいために、ブログに書き残すことにした。
 
映画は、とにかく美しかった。この一言で感想を集約させようとする自分の言葉の引き出しの乏しさにはがっかりするものの、やっぱり、この言葉がいちばんしっくりくると思う。「出会う前の少年と少女の話を描きたかった。」として、主人公は東京に住む「瀧くん」と北陸の田舎町に住む「みつは」という2人の高校生。体が入れ替わるという奇妙な現象によって互いの存在を知っていく彼らは、次第に相手の弱い部分を感じ取り、背中を押しあう。その姿はとても意地らしくて、自分の高校時代の記憶にだけ生きている懐かしい気持ちを思い起こしてくれた。いちばん印象に残ったシーンは、自分たちの危険を知らせるために父親の元へ駆けていく途中、瀧くんの名前を思い出そうとしたみつはが自分の掌を見て「すきだ」というメッセージに気づくシーン。「お互いの名前を忘れないように書いておこうぜ」と言って瀧くんが書き残した言葉。「これじゃ思い出せないじゃん。」と泣きながら笑うみつは。いやまったくその通りである。けれども私もみつはと同じように涙を流した。もう二度と会えないかもしれない、けれど絶対に忘れたくない、大切な存在であるみつはに、瀧くんが名前よりも先に伝えたかった想い。そして、その気持ちを大事に持ってさえいれば、名を忘れてもきっとまた出会えると信じている2人。生きる場所が違っても、時間が交差しても、そして、名前が分からなくても、きっと会えると会えると信じ、互いのやるべきことに全力を尽くす2人の姿は健気で、信じるものがありさえすれば自分は無敵だと思えた高校生活の記憶がまた頭の中で息を吹き返した。
そして、ストーリーと作画に加え、この映画に欠かせない要素となっているのがやはり音楽である。作中の全26曲を書き下ろしたというRADWIMPS野田洋次郎さん。話が逸れるが、私は野田さんが紡ぐ音楽が大好きで、恐縮であるが中学3年生のとき彼等の音楽に魅了されて以来、毎回ライブにも参戦させてもらっている。新海誠監督も「彼等の音楽のファン」らしく、それを聞いたプロデューサーがお2人を繋げ、今回のタッグに至ったらしい。「僕のことを諦めないで下さい。」打ち合わせの別れ際に野田さんが放ったこの一言を聞き、「音楽がかかる瞬間を映画のピークにしたいと思った」という言葉通り、スクリーンに美しい風景だけが映り、他の全ての音が無になった瞬間に聴こえた野田さんのブレス音は、アニメーション映画という空想世界に浸っていた私達を一気に現実に引き戻す力を持っていた。「個人の恋心とか心の痛みとか、ほんの小さなものを宇宙とか星とかの大きな世界観に結びつけている音楽」という新海さんの言葉はまさにそうで、劇中で主人公達が語らない全ての想いをこっそり私達に教えてくれていたのである。
 
帰り道の電車で急いで書き起こしたブログだったが、書いても書いてもこの感情を全て書き落とすことができない。「もっとあの世界に浸りたい。」という想いが強すぎて、なかなか映画館を後にすることもできなかった。一歩外に出ればまた自分だけの世界になってしまう。それが少し寂しくて、私はあと2回、この世界に魅了されにこようと心に決めた。